友達に感化されホストを始めた

当時は本当にお金がないのと
県外にいる友人が『ホストは稼げるぞ』と言っていたし
実際にその友人は学生にも関わらず
月50万を稼いでいたのでそれに感化された僕はホストで働くことにした。
面接に行くとお店にホストのお兄さんたちと
綺麗な女性のお客さんがテーブルにいた。
ホストのお兄さんもイケメンで
女性も美人ばかり。
これがホストの世界か、凄いな。
と衝撃を受けた。
僕は面接で少し緊張してしまったが
それは皆緊張してしまうとのこと。
面接に来るほとんどの人がホスト未経験で
こういう世界は初めてらしい。
なので皆その華やかな世界に衝撃を受ける。
僕もその中の1人だ。
そして無事面接を終えた。
するとその場で合格を伝えられ、
展開の速さに驚いた。
いつから勤務出来る?
と聞かれたので僕は即答で
『明日から行きます!』
と元気よく言った。
最初は緊張しまくり
翌日になり少し緊張気味で出勤。
皆に温かく迎えられた。
僕は自己紹介をして
僕のことを指導して頂けるお兄さんを紹介された。
その人はこのお店で売り上げナンバーワンの人のようだった。
いきなりナンバーワンの人に教えられることはもう感謝しかない。
しっかりと吸収しようと強く誓った。
初めはお店のすぐ近くで客引きをすることに。
緊張で上手く女性に声をかけられずに焦ってしまった。
そんな僕を指導して頂いているお兄さんは
優しく『大丈夫だよ、初めは皆そうだから』
と言って頂いた。
意外と優しいホスト業界
内心、もっと体育会系のゴリゴリした指導かと思ったら
それは全くの逆だった。
もちろんこれは人によって全く異なると思うが
はっきり言えることは僕は非常に運が良いということだけは分かった。
そして1週間が経った。
しかし、お客を誰1人とれなかったのだ。
僕は自分はホスト向いていないのかな・・・?
と意識するようになった。
それを見たナンバーワンの人が僕に
『落ち込むのは分かる、でもたった1週間だ。
重要なのは結果が出るまでやり続けることだよ』
と言ってくれたのだ。
『!?』
と雷に打たれたように心に刺さった。
なるほど、確かにそうだ。
たった1週間結果が出なかったくらいで諦めてどうする?
僕はそんな男じゃないはずだ。
そして本気で出来ることは何でもやった。
先輩のフォローに行き
先輩のお客さんと盛り上がったりと少しづつ結果が出てきた。
初めての客がついた(しかも凄くタイプ)

僕に
初めて客がついてくれたのだ。
その人はミカという22歳の女性。
毎日声をかける場所に歩いているのだが
その度に僕は声をかけていたのである。
理由は単純で凄くタイプだったから。
これだけ。
あとはこの人が自分のお客さんになったら
ホストも楽しいだろうな、など色々想像していた。
ミカに何で僕のことを良いって思ってくれたの?
と聞くと毎日私が無視してるのに毎日声かけてくれたし
その真剣さに惚れたと言われた。
これはかなり嬉しかった。
僕もナンバーワンの先輩に言われて
本当に真剣にやっていたから涙が出そうになった。
誰にもバレずに泣くのをグッと我慢していると
ミカが僕の手を優しく握って
『大丈夫、私がついてるから』
と笑顔で言ってくれた。
僕に気があるようだ
こんなに可愛くて性格の良い女性がいるなんて。
しかも僕に気があるみたいだし
本当に夢のようだった。
それからミカは週に2回ほどお店に通ってくれた。
ミカは確実に僕に気があるとはっきり分かる。
それは雰囲気でも感じ取れるし、
目をウルウルさせながら僕のことを見てくるからだ。
もちろん泣きそうな感じのウルウルではない。
男を見るような目でウルウルしてくるのだ。
心理学の本でも
女性が目をウルウルしながら見てくる時は
気があるサインだと書いてあったのでほぼ間違いない。
その頃の僕はありがたいことに
お店の中でも少し人気になっていた。
同じお店のホストに行くと
その低姿勢で謙虚なところが他のホストと差別化になっているらしい。
確かに他のホストはウェイウェイ系で
完全にノリと勢いだけでいっている。
ナンバーワンの先輩以外は。
月の給料も順調に伸び
とうとう月30万までいった。
ホストを始める前は全くお金がなかったが
ホストを始めてたった数か月で30万。
これは夢があるなと心の底から思った。
しかし成功者から見るとたった月30万だ。
僕の目標は月100万であり、30万ではない。
必要最低限のお金は使わないようにした。
初めての客が彼女に

土曜日、ミカが店に来ていつも通り僕を指名。
僕はミカの純粋で優しい性格に惚れていた。
お客ではなく彼女にしたいと意識。
その日もミカと楽しく話していると
ミカが
『アフター出来る?』
と聞いてきたのだ。
僕は笑顔で
『もちろん!』
と言いミカと一緒にお店を出た。
店長もナンバーワンの先輩も
僕のミカに対する気持ちに気付いていたから
止めずにくれたことは今でも感謝している。
車にミカを乗せて走っているとミカから
『私本気で好きになったの。付き合って欲しい』
と真剣に言われた。
僕の返事はOK。
こうしてミカと付き合うことになった。
ホストをやっていなかったらミカと付き合えなかったし
そもそも出会うことすら出来なかったと思う。
今でも一緒にいるし、本当に幸せです。
〜完〜